先日しばし盛り上がったBDバッジのことを書いてみます。BDバッジが初めて登場したのは江戸川乱歩少年物の第2作「少年探偵団」です。「少年探偵団」は昭和12年1月から12月まで月刊誌『少年倶楽部』に連載されました。BDバッジは少年探偵達の犯人追跡の目印として登場します。こんな感じです。
B・Dバッジというのは、小林君の発案で、ついこの間出来上がったばかりの探偵団員の徽章でした。B・Dというのは「少年」と「探偵」に相当する英語の頭文字を取って、そのBとDとを模様のように組み合わせて、徽章の図案としたことから名づけられたのです。
(中略)
小林少年が発案したB・Dバッジには、ただ団員の徽章という外に、色々な用途があるのでした。まず第一は、重い鉛で出来ているので、平常からそれを沢山ポケットの中に入れて置けば、いざという時の石つぶての代りになる。第二には敵にとらえられた場合などに、徽章の裏の柔らかい鉛の面へ、ナイフで文字を書いて、窓や塀の外に投げて、通信することが出来る。第三には、裏面の針に紐を結んで、水の深さを計ったり、物の距離を測定することが出来る。第四には、敵に誘拐された場合などに、道にこれを幾つも落として置けば、方角を知らせる目印になる。というように、小林君が並べ立てたB・Dバッジの効能は十箇条程もあったのです。
(以下、略)
ねっ、めちゃくちゃ楽しいそうでしょう?
やっぱりこれ欲しいですよね。
それも1個じゃなくて沢山。
今年中にはどうにかして・・・手に入れるぞw
投稿情報: ゆーと | 2005-11-17 17:46
ゆーとさん
作戦成功を祈ります。
投稿情報: 乱歩帳主人 | 2005-11-20 22:12
私もBDバッジ当選で(しかも複数個)大喜びしていますが、ここで新しいファンには衝撃(?)の事実を。
私の所有しているBDバッジは全部で4種類あります。一見同じように見えるのですが細部が微妙に違っています。
1 昭和30年代、光文社から少年探偵全集の引き換え券3枚と交換されたもの。雑誌「少年」で通販もされたらしい。これには前期と後期のものがあって、後期のほうは表面がカーブしている。
2 数年前「弥生美術館」で開催された乱歩展にさいして復刻されたもの。豪華なビロードのケースに入っている。1800円で販売された。
3 そして今回の光文社の復刻。
さらに「世田谷文学館」の復刻や、池袋西口古本まつりのものがあるが、デザインが全く違うので別物とみていいでしょう。
投稿情報: 乱風 | 2005-12-20 13:34
乱風さん
すごいコメントありがとうございます。
BDバッジも素晴らしい歴史があるんですね。その歴史とともに歩んでいる乱風さんが羨ましいです。BDバッジの変遷をお教えいただき感謝します。
また是非何か教えてください。
今後ともよろしくお願いします。
投稿情報: 乱歩帳主人 | 2005-12-20 23:29
はじめまして・・・
写真を撮るとき Vサインを出すことがはやりましたが あれは 30年代の 「少年」誌 少年探偵団 小林君が団員内での隠れた挨拶として使って のちに テレビドラマ「サインはV」などにつながり ピースサインに移行していったのではないかと 思うのですが ご意見をうかがわせてください。(フランスがイギリスから 独立を果たしたときのヴィクトリーだと説明もありました) 日本における初出ではないでしょうか。 よろしく お教えください。
投稿情報: ノエル | 2006-06-14 00:47
ノエルさん
コメント感謝です。
Vサインのこと初めて知りました。ただ、少年探偵団で尾行や張り込みをしているときに、「ここにいるぞ」とか「仲間だぞ」というサインを出していたようにも思いますし、自分が子供の頃、探偵ごっこをしていた時にそんなことをしていたようにも思います。ただVサインだったかどうかは、覚えていません。
でも欧米の推理小説や風俗に関して、病的に整理しながら研究していた乱歩のことですから、Vサインの日本への輸入者が彼だったのかもしれませんね。教えるなんてとてもおこがましいですが、調べてみようと思います。
ノエルさん面白い着想ありがとうございました。
投稿情報: 乱歩帳 | 2006-06-14 14:23