人形作家の石塚公昭さんが「乱歩 夜の夢こそまこと」というタイトルの写真集を出版しました。石塚さんは今まで江戸川乱歩をはじめ、澁澤龍彦、中井英夫、永井荷風、稲垣足穂など主として幻想系異端系の作家の人形を作っています。作家自身の姿かたちが実物と似ているのはもちろんなんですが、その人形と組み合わせる背景や小物、舞台設定が素晴らしく、本物以上に作品の世界観が表現されています。
今回の写真集は乱歩の名作のシーンを自作の人形と舞台設定で再構成し、自らが写真撮影したものです。取り上げられている作品は、「怪人二十面相」「黒蜥蜴」「D坂の殺人事件」「屋根裏の散歩者」「人間椅子」などなど、どれもお馴染の是非見てみたい名シーンばかりです。
私がこのブログの前から作っていた自分のHPである「東京下町乱歩帳」では、そんな名シーンの舞台となった浅草周辺の町並みを写真で紹介して行ったのですが、石塚さんはアーティストですから、実際に人物を作り、ミニチュアで背景を作り、時には実際の人物やロケーションとシンクロさせて、物語をビジュアル化していきます。おもわず「これこれ!これが見たかったのよ」と感激します。私は以前から石塚さんのファンでHPのリンクも早くからしていただいていたので、今回の写真集の出版が本当にうれしかったです。皆さん是非買ってみてくださいね。
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