怪人二十面相が、伊豆修善寺に住む日本有数の美術収集家である日下部氏の国宝級絵画を盗んだ後、次に狙うお宝は、帝国博物館の収蔵品を根こそぎ全部。派手ですな。
怪人二十面相の恐るべき野心は、頂上に達したように思われます。あろうことかあるまいことか、国家を相手にして戦おうというのです。今まで襲ったのは皆個人の財宝で、憎むべき仕業には違いありませんが、世に例のないことではありません。しかし、博物館を襲うというのは、国家の所有物を盗むということになるのです。昔から、こんな大それた泥棒をもくろんだものが、一人だってあったでしょうか。大胆とも無謀ともいいようのない恐ろしい盗賊です。
(以下、略)
ということで乱歩の口上もまた派手です。まるで講談でも見ているようです。
っで、結局このあとは最大の見せ場である、怪人二十面相と名探偵明智小五郎の一騎打ちというクライマックスに向かって物語は突進していきます。とっても面白いです。
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