Go! Go! 茶藝502

桑久保徹展に行って来た

昨日、TOMIO KOYAMA GALLERYの「桑久保 徹 展」のオープニングに行った。桑久保さんは若手の現代美術のペインター。2004年のGEISAIで小山登美夫がスカウトし、2005年に初めて新川の旧TOMIO KOYAMA GALLERYで個展を開いて以来、今回が２回目ということになる。その時は川島秀明の個展「mutability」をメインでやっていて、それを観に来て私は偶然に桑久保作品に出会ったわけだ。ゴッホを思わせるような、チューブから絞り出したままの絵の具をたっぷりと叩き付けて行くようなタッチと透明感が気に入って、砂浜に打ち寄せられた花を描いた小さな作品を購入した。
桑久保さんはその後アジアやヨーロッパでの個展を経て、今回の"World Citizens with the White Boxes"と題する個展となった。
18:00からのオープニングパーティは、なかなか盛況で桑久保ファンが多く訪れて作家を囲んでいた。ＮＨＫの取材まで入っていたのは驚いたけど、これは桑久保さんというよりも小山さんが目的だったようだ。
昨日オープニングで展示されていた新作は大きなものが６、７点と桑久保ワールドを演じるキャラクターづけをされた小さな人物作品が１０数点。なかでも「冬の海と霊園」というタイトルの白くて明るい墓地の風景を描いた大型の作品はよかった。会場に来ていた人が皆、うれしそうな顔でこの作品を見ていたのが印象的だった。墓地なのにね。「千の風になって」の気分かな。
桑久保展は昨日から８月９日（土）まで、前回紹介した川島秀明展のようにオープニングまでに全ての作品が売り切れているということはないので、是非観にいって興味の湧いた作品を購入してみるというのはどうだろう。まだ半分くらいは売約・商談前だったような。
私は期間中もう一回行ってみようかなと思っている。

これは梅雨空の幻想か？

今日の夕方の九段下交差点。角のビルのてっぺんにある屋外看板にはサントリー金麦の広告。今の梅雨の時期の夕暮れ時の空の藍色に看板のバックの紺色が見事にとけ込んでいる。壇れいの笑顔がいつにも増して艶かしい。
これが広告の力というべきか、いやいやここまでくれば、これは広告の魔術だ。なんか足が震えるような感じだった。

伊藤 環の錆銀彩のお皿

土曜日に神楽坂の「ラ・ロンダジル」で、写真のお皿を購入した。伊藤環（いとう　かん）という作家の作品で、錆銀彩（さびぎんさい）という手法で制作したものらしい。独特の金属質の釉薬を施して焼いたのだろう。灰の中に銀の原石が埋まっているような、不思議な色合いと手触りが気に入って、とても欲しくなった。
あまり強く磨かないでくださいね。といわれ、丁寧に扱おうと心に決めた。まずは乾き物でも盛って、焼酎を一杯というところか。

河上智美のガラス作品

先日、吾妻橋の「土庵（どあん）」で購入したガラスのランプシェードと花立て。繊細でノスタルジックな作品。初夏の清々しい感じがしますな。「土庵」は土の焼き物ばかりではなくガラスもやってるんだと、浅はかな感動をしたものだ。
昔、街角の焼きそばやのようなところで食べたかき氷の器やビールグラスのような、いわゆる普段使いのガラス器がたくさん並んでいた。

土　庵　吾妻橋ギャラリー
〒130-0001　東京都墨田区吾妻橋2-1-1　
ビラハタノ　2F　
03-3622-3253

不定期にオープンなので
来店の際には、ホームページで確認しましょう。

TKGエディションズで青木良太展

昨日、再び清澄のTOMIO KOYAMA GALLERYへ。川島秀明の個展を２度見。何度見ても
気に入った作品には足が釘付けになる。でもやっぱり、全て売れているから手には入らない。知り合いのギャラリースタッフがいたので、「ちなみにおいくら？」と聞くと、４０センチ位の作品で７桁！　ため息が出た。「立派になったね。川島さん」。
その足で、本日オープニングパーティという銀座のTKGエディションズの「青木良太展」へ移動。青木良太は新進の陶芸家で、TKGのホームページでは以下のように紹介されている。

青木良太は、岐阜県土岐市に工房を構える若手作家です。釉薬の調合を緻密に変化させながら創りあげた自由で前衛的な茶陶、薄くて繊細な白磁･･･。その個性的なフォルムと洗練された作品は、どれも、一度出会ったら忘れられない魅力にあふれています。
本展では、白や銀の普段使いのシリーズ<Blanc et Argent><Bol Blanc et Argent>を中心に、個性的な茶陶の<Couleur>シリーズなど、多様な作品を展示・販売いたします。ぜひ、この機会にご高覧ください。

TKGが陶器を扱うということを初めて知ったが、きれいで使いやすそうな作品がたくさんあって、気に入った。パーティそっちのけで選びに選んで購入したのは、このシルバーのボウル。7,000円とちょっと。ちょうど会計をしている時に、小山さんが到着して、「お買い上げありがとうございます！」と、ナイスタイミング。いいお買い物でした。

川島秀明の個展に行った

先週の土曜日から清澄のTOMIO KOYAMA GALLERY で私の大好きな現代アートの作家である川島秀明の個展が開催中だ。今週さっそくいってきた。

個展のタイトルの「wavering」は、精神的なよろめきとか、揺らぎという意味だそう。
川島さんは、眼と唇と髪の毛だけのポートレートを描く。白とか黒とかブルーとか単色の何もない背景の上に漂うような顔だ。眼なんか吸い込まれるようにリアルなのだが、全体的には抽象画なのだろう。浮遊しているような不思議な絵である。
はじめて小山さんに紹介されて、一目で気に入って作品を手に入れたのが2004年だから、私のファン歴はもう５年になる。この間、川島さんは海外での評価も高まって、個展のたびに手が届かなくなっていく。うれしいような寂しいようなという心境だ。

今回個展を見て、ちょっとした作品の変化を感じた。今までの川島作品は描かれたポートレートにキャラクターはなくて、存在自体（タブロー全体）が何かを象徴していたのだが、「wavering」では、作品のポートレートにはそれぞれの人格があって、その人が私に何かメッセージを伝えてくるような感じがした。（何と拙い表現か！）

ギャラリースペースには１０数点の新作が架けられていた。圧倒するような大きな作品から、４０センチくらいの小品まで様々だ。そのなかに黒い背景に青みがかったショートカットの少年のようなポートレートがあった。それがなんだか気になって、欲しくてたまらなくなった。でも展示作品はすべて、“SOLD”か“RESERVED”となっていた。
川島秀明展は６月７日まで開催されている。また近いうちに眺めに行こう。

本所吾妻橋の花辻

本所吾妻橋になかなかイケてる花屋を発見。「花辻（はなつじ）」という。
いかにもこだわっていそうな若い店主の辻さんが色々説明をしてくれる、アート系の花屋である。話を聞く所によると浅草雷門あたりの手ぬぐい屋やギャラリーなどに生花を納入しているとのこと。
この日、私はといえば、琴の糸という繊細な葉っぱのモミジを植え込んだ苔玉盆栽を買った。とても小さくて細かい葉っぱのモミジで笹と一緒に寄せ植えしてある。屋外で育てるのがよいそうだが、あまり見た目の良さにしばらく室内で楽しみたいと思っている。
是非ちょくちょく寄りたい店だ。

花辻（はなつじ）
東京都墨田区吾妻橋３の６の１７
０３−３６２３−３５９８

木工の友三さん

今日は浅草観音様の境内に「木工の友三さん」が出ていた。
友三さんは写真のように路上に蓙を敷いて店を出している。木工の動物や木彫りの表札を実演販売で作って売っているのだ。友三さんの周りには木の切れ端で作ったのだろう小さな動物が並んでいる。１個１００円だ。好きな動物を選んで 「これください」と注文すると、友三さんはそのまま渡すのではなく、ひとつひとつ仕上げをしてくれる。千枚通しで眼や輪郭の削りあとを整えて、その後さっと磨いてくれる。うれしそうに手際よくやってくれるのだ。
まさに腕利きの職人さんである。
２枚目の写真は私が友三さんから買った象のおもちゃ。もちろん１００円だ。ちょっと飾って行くと誠に味わいがあってよろしい。

宮岡麻衣子の染付けの器

昨日、本所吾妻橋の「土庵」に宮岡麻衣子展の初日を見に行った。宮岡麻衣子はどっしりとした染付けの器を創作している。作家は料理が美味しくなる普段使いの器を志向しているということで、確かに昔懐かしい感じ、掘り出された古民具の趣がある。
「土庵」のなかに並べられた器はどれも厚みのある生地に藍色の絵が描かれその上にたっぷりと釉薬がかけられて、暖かみがある作品に仕上がっている。愛らしい感じである。古伊万里のようだとも思う。ただ今感じる古伊万里という美術品のいかがわしい（？）重さではなく、もっと素朴で人の良さそうな重厚さなのだけど。結局、焼酎を飲むにもぴったりの蕎麦猪口風のものや染め付けの小皿など、多少セーブはしながらも、またまたいつものようにお買い上げだ。

このところ、「土庵」には作家展の初日に行って、必ず買い込んで来るというサイクルだ。我が家の器もどんどん増える。置き場所にも困る。家が近いというのも善し悪しだろう。
多少の反省と満足感と。ははは‥‥。

石塚公昭さんの「永井荷風」

私がファンの人形作家で写真家の石塚公昭さんから、世田谷文学館に永井荷風の人形を2点展示するとのメールが届いた。
展覧会のタイトルは、『永井荷風のシングル・シンプルライフ展』。
世田谷文学館で２月１６日（土）～４月６日（日）に開催される。

今回石塚さんは、荷風像２体展示するとのこと。また３月１日より写真作品をスライド上映しますということでとても楽しみ。
開催期間も比較的長いこともあり、是非ともいってみたいと思っている。
世田谷文学館への問い合わせは、（問）03-(5374)9111・9112

ちなみに私の石塚さん関係の記事は以下の通り。石塚さんは江戸川乱歩の人形を多数作っており、写真集も出版されている。私は個展にうかがって、『屋根裏の散歩者』の作品を購入した。私の自慢の一品である。