先週の土曜日から清澄のTOMIO KOYAMA GALLERY で私の大好きな現代アートの作家である川島秀明の個展が開催中だ。今週さっそくいってきた。
個展のタイトルの「wavering」は、精神的なよろめきとか、揺らぎという意味だそう。
川島さんは、眼と唇と髪の毛だけのポートレートを描く。白とか黒とかブルーとか単色の何もない背景の上に漂うような顔だ。眼なんか吸い込まれるようにリアルなのだが、全体的には抽象画なのだろう。浮遊しているような不思議な絵である。
はじめて小山さんに紹介されて、一目で気に入って作品を手に入れたのが2004年だから、私のファン歴はもう5年になる。この間、川島さんは海外での評価も高まって、個展のたびに手が届かなくなっていく。うれしいような寂しいようなという心境だ。
今回個展を見て、ちょっとした作品の変化を感じた。今までの川島作品は描かれたポートレートにキャラクターはなくて、存在自体(タブロー全体)が何かを象徴していたのだが、「wavering」では、作品のポートレートにはそれぞれの人格があって、その人が私に何かメッセージを伝えてくるような感じがした。(何と拙い表現か!)
ギャラリースペースには10数点の新作が架けられていた。圧倒するような大きな作品から、40センチくらいの小品まで様々だ。そのなかに黒い背景に青みがかったショートカットの少年のようなポートレートがあった。それがなんだか気になって、欲しくてたまらなくなった。でも展示作品はすべて、“SOLD”か“RESERVED”となっていた。
川島秀明展は6月7日まで開催されている。また近いうちに眺めに行こう。
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