先日、どういう心境だったか定かでないが、本屋で筒井康隆の「陰悩録(いんのうろく)」という文庫を買った。この本は、リビドー短編集(!)と銘打っており、筒井の初期のエロ系の作品を集めたアンソロジー。筒井の初期作品は学生時代のある時期それこそむさぼるように読みまくったので、すべて既読のはずだが、今この年齢になって再読してみると、本当に面白い。久々に電車の中の読書で笑いがこらえられなくなった。
中でも俺の好きな作品を挙げると、まずは「郵性省」。オナニーをすると絶頂の瞬間にテレポーテーションしてしまう超能力(?!)が世の中に蔓延するドタバタ話。
そして「弁天さま」。これは題名の通り、ある日我が家に超美人の神様(弁天様)がやってきて、「福を授けるから、私とセックスをしましょう」と迫ってくる話。主人公は女房子供の見守る前ですごく激しいセックスを繰り広げるというもの。
それと表題作の「陰悩録」。湯船に浸かったまま排水溝の栓を抜いたら、陰嚢が吸い込まれてしまい、抜けなくなってしまうお話。
とかとか、すっかり虜になってしまった。茶藝とはぜんぜん関係ないけど、お勧めの1冊。
コメント