今、台北に来ている。本日街を歩いていて面白い物を発見した。台北駅に向かっている途中、何気なく空を見上げていると白い萎みかけた気球が風に漂ってゆらゆらと浮かんでいる。そしてその気球をさらによく見ると、なんと人間がしがみついているではないか!
これは、乱歩の「怪奇四十面相」のなかのあのシーン、予告通り刑務所を脱獄したし二十面相(四十面相)が、気球にぶら下がって空を逃走するところ、風に乗りすぎてとうとう台北にたどり着いてしまったということか。すごいすごい、折しも台北は朝から雨模様で風も強い。気球にしがみついている二十面相は、右に左に風に押し流されながら、二本の足をばたばたと動かしている。
と、まあ、驚き感激し眺めていたわけだが、これは実は大規模な現代アートの屋外作品らしい。というのは、この気球は台北の現代アートの中心、『台北当代芸術館』の敷地に繋がれていた。でも、今日ここで乱歩的な体験ができるなんてとても素敵だった。
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