茶藝に相応しいかはともかく、今日は面白い本の話をひとつ。
荒山徹は伝奇時代小説の気鋭作家で、そのはちゃめちゃな小説世界はあきれるほど荒唐無稽で迫力満点だ。
この「魔風海峡」の舞台は秀吉が朝鮮征伐を行っている慶長末期。戦局が泥沼化するなか豊臣方の総帥石田三成は起死回生の策として、「一千年前、欽明(きんめい)帝が朝鮮半島の任那(みまな)日本府に遺(のこ)した隠し財宝を探せ!」との密命を真田幸村に下す。幸村は真田忍団とともに釜山に渡るがそこで、そこで彼らを迎え撃つのが、奇怪極まりない妖術を駆使する朝鮮忍軍。
猿飛佐助、服部半蔵、霧隠才蔵、筧十蔵、根津甚八など誰でも聞いたことのあるような忍者が縦横無尽に跳梁する。文庫版上下2巻の大作であるが久しぶりに息もつかずに読破してしまった。
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