我が書棚のこの一角だけが何故か暗い。ここだけ乱歩の幻影城と繋がっているのではないか?
数ある江戸川乱歩全集のなかで最高の出来と信じている講談社版のこのシリーズ。1978年に刊行されたこの全集のなんと豪華なことか。箱入り、1冊1冊が地下室をモチーフとしたすべて異なるデザインの装丁で、背表紙を並べるひとつの絵が完成する。
まだ高校生だった私は小遣いと相談しながら少しずつ買い揃えていった。それでも当時の資金力では25巻をすべて初版で買い揃えることができなくて、不足分を古書店やインターネットで探して、ようやくコンプリートすることが出来た。
私の本のコレクションのなかで最も大切なものだ。
私の乱歩本の収集はここから始まった。そして乱歩の世界にどんどんとのめり込んで行ったのだ。
コメント