昨日、10月21日は江戸川乱歩の誕生日。1894年の生まれだから生誕113年、亡くなったのが1965年だから没後42年ということになる。もう立派に歴史上の人だな、最晩年だけれど生きている乱歩と同じ時代を生きてきたのだから、自分も十分にいい歳ということだろう。
ところでさっきネットでこんな記事を見つけた。
「江戸川乱歩の愛用眼鏡復刻、84,000円也」(YOMIURI ONLINE)
日本推理小説の父、江戸川乱歩のトレードマークだった眼鏡が復刻され、誕生日の21日発売された。
「若い人にもっと文学に関心を持ってほしい」と、東京都内のデザイン会社経営、草ナギ洋平さん(31)が企画。乱歩の孫で出版社経営、平井憲太郎さん(57)が監修を引き受けて実現した。(ナギは弓ヘンに上が「前」、下が「刀」)
べっ甲色で、レンズが丸っこく、下の縁がない乱歩の眼鏡は遠近両用で、平井さんが保管していた。セルロイドが縮むなどしていたが、眼鏡フレームの世界的生産地である福井県鯖江市の眼鏡職人らの協力を得て復元した。
乱歩といえば確かにいつもセルの眼鏡をかけていた写真がお馴染みだ。眼鏡のしたの目がなんだかボーっと夢を見ているようで、まさに『うつし世は夢、夜の夢こそまこと』という表情だなあと思っていた。いわゆる心ここにあらずが眼鏡のしたの表情から覗けて見えていたような顔だった。
私の大好きな人形作家の石塚公昭さんの「屋根裏の散歩者」という作品の乱歩も眼鏡が印象的で、天井裏の穴からアパートの部屋を覗く乱歩の眼鏡に部屋の灯りが不気味に映りこんでいる。
84,000円の眼鏡を買ってついに初めての老眼鏡でも作ろうかと思っている今日この頃である。
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