江戸川乱歩の少年物第2作である「少年探偵団」において、篠崎家の「呪いの宝石」の次に怪人二十面相が狙うお宝は、浅草観音の五重の塔を純金で造らせた逸品です。
京橋区の一画に高い時計塔を持つ東京でも一二を争う老舗の大鳥時計店の店主、大鳥清蔵がつくらせたものです。江戸川乱歩はこのように書いています。
屋根の広さ約十二糎平方、高さ七十五糎という、立派な黄金塔で、細かいところまで、浅草の塔にそっくりの、精巧な細工でした。しかも、塔の中は空っぽではなく、すっかり純金で埋まっているのですから、全体の目方は八十瓩を越え、材料の金だけでも時価二十五万円程の高価なものでした。
(以下、略)
大鳥時計店はさしずめ銀座の和光でしょうか?
二十面相はいつものように(!)新聞で強奪予告を発表し、衆人監視のなかカウントダウンのパフォーマンスを着々を演じ、ついに盗み出してしまいます。
でもさあ、純金で出来た浅草観音様の五重の塔のミニチュアって欲しい?
なんかお土産物みたいでしょ。
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