僕が敬愛するムーンライダーズのリーダー鈴木慶一のソロアルバム「ヘイト船長とラヴ航海士」がリリースされた。プロデュースに元サニーデイサービスの曽我部恵一を迎えた快作だ。
鈴木慶一自らがいつもいっているように、ムーンライダーズの鈴木慶一は、ムーンライダーズという枷を自らに課している。ムーンライダーズというもうひとりのメンバー(監督者)に配慮して、アウトプットをしていく。それはそれでファンとしてはうれしい事なのだが、ソロアルバムにおける慶一の解放され具合はまた格別に面白い。
「ヘイト船長とラヴ航海士」は海を感じるアルバムである。鈴木慶一は海が好きなのだろう。そういえばボーダーシャツとかピーコートとか最近よく着ている。ただ彼から感じる海は決して快晴の湘南の海ではなく、生まれ育った京浜工業地帯の曇った海だ。轟音とともに飛行機が飛ぶ、河口から乗り合いの釣り船が出航する運河が口を開く海だ。僕はそこに共感する。
アルバムの内容的には、ムーンライダーズの最新作「ムーン・オーヴァー・ザ・ローズバッド」に近い。過去作品の新解釈やコラージュ的な再演を多用している。そしてソロの今回はリラックスしてより一層やさしい音や歌い方になっている。今度の日曜日には車でこれを聴きながらドライブをするつもりだ。
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