新年あけましておめでとうございます。
年明け第1話は今ハマっている本のお話。北方謙三の「水滸伝」は文庫化をずっと待っていた作品。以前にこれも文庫化刊行されていた北方版「三国志」をむさぼるように読んでいた俺としては、是非とも読んでみたかったわけだが、単行本はもう最終盤にさしかかっていたので、買いたい気持ちをぐっとこらえて、文庫本を待っていたのだ。そしてとうとう昨年10月に文庫版の刊行がスタート! 以来、毎月25日あたりの発売日を楽しみにしている。
北方版の魅力はいってみれば、古典の壮大(荒唐無稽?)さを損なうことなく、見事なくらい辻褄を合わせる情熱と根性にある。さらに、本来無茶苦茶に男臭くかつ女々しい世界を北方はさらに加速させる。それこそ50ページに一度は男泣きしたくなるくらい感動させる。できれば電車のなかでは読まないほうがいい。1巻では林冲に泣き、2巻では武松に泣き、3巻では史進に泣くのだ。
俺は別に、水滸伝は別に初めてという訳ではなく、今までも何度も古典訳を読んだし、テレビドラマも見た。(林冲を中村敦夫がやったやつ覚えてますか?)しかし、どれも一話完結の講談を積み上げる様な趣で、ストーリーの連続性や整合性への配慮が乏しい。とくに108人の好漢が梁山泊に集結を果たした後は、作者も全くやる気をなくしてしまうようで、一気に作品のテンションが落ちる。読者もたぶんこのあたりで大幅に脱落する。
俺はここを見事に乗り切るであろう、北方版「水滸伝」に期待している。「水滸伝」を完璧な大河ドラマとして読んでみたいのだ。今年中に完結はしない予定だが、1年間ずっと楽しめそうで期待している。どなたか一緒に読破しません?
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