今回の台湾旅行で是非ともいってみたかったのが、台北郊外の小都市九份(チウフェン)。1890年に金鉱が発見されてゴールドラッシュに沸いた。しかし鉱脈が小さかったのか、その後ほどなく鉱脈が尽きて寂れてしまったとこのと。海に面した急な山の斜面貼り付くようにつくられた街並みは色彩豊かでとても可愛らしい。
この街が近年再び脚光を浴びたのは、アジア映画の巨匠である候孝賢監督の『非情城市』の舞台となって以来。
台北駅から急行列車とバスを乗り継いでたどり着いた九份はあいにくの雨。バス停を降りて石畳の敷かれた細い商店街を歩いて、急な石段を上ったり降りたりしていると、雨に煙る海が見える細道を発見。まるで『千と千尋の神隠し』の風景だ。ずぶ濡れになりながら細道の階段を下りていくと、『非情城市』の撮影現場と旗の立つレストラン風の建物が、そしてその対面にクラシックな佇まいの「阿妹茶酒館」が営業していた。
「阿妹茶酒館」は洒落た茶藝館でもあるが、レストランでもバーでもある。俺としては茶藝館として楽しみたい。まずは茶葉を選んで買って、お湯をもらう。ガラス窓越しにうっすらと港が見える。中国語が聞こえる。雨の音がする。とても落ち着く。ガイドブックによるとここは夜景も素晴らしいとのこと、台北の若者達は週末の夜に訪れてロマンチックに過ごすのでしょう。
初めての九份に俺は酔いしれましたな。
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