雷門のケーキ屋といえば、今から20年くらい前はミカワヤ、ナガシマ、そしてアンジェラスの3店が私のお気に入りだった。しかし次々と閉店してしまって、今に残っているのはここアンジェラスのみ。
アンジェラスは雷門のオレンジ通りに面している。昔ながら重厚な佇まいの喫茶店で、黒々としたインテリアと、1階、中2階、2階と複雑な構造がちょっと普通じゃない雰囲気を醸し出す。
ここのケーキはみな懐かしい大きさとフォルム、そして子供の頃大好きだった、ふかふかしたカステラと、ねっとりした生クリームの食感が楽しめる。なかでもサバリンがいい。気取ったサバランではない。いかにもパンをくりぬいてクリームを詰め、甘い洋酒にたっぷり浸してある。買って帰る時、店員に「たっぷりお酒が入っているから、まっすぐに持って歩いてくださいね」と注意される。
私にとってはケーキ以上のケーキなのだ。
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